抗ウイルス Q&A(床材編)

 

  1. ウイルスって何?菌とウイルスとの違いは?
  2. ウイルスはどのように増殖するの?
  3. 床材に抗ウイルス性があるとどんなメリットがあるのですか?
  4. 床材で感染対策ができるのでしょうか?
  5. 床に落ちたウイルスは再び舞い上がるのではないですか?
  6. 99%以上の抗ウイルス効果を分かりやすく教えてください。
  7. どんな抗ウイルス剤を使用していますか?安全なものですか?
  8. 抗ウイルス剤はウイルスを殺すのですか?
  9. 次亜塩素酸ナトリウム、アルコールで消毒した場合と比べて抗ウイルス効果はどうですか?
  10. 次亜塩素酸ナトリウムやアルコールで拭いても変色しませんか?
  11. どれくらい抗ウイルス効果は持続するの?
  12. 溶接棒は専用のものですか?
  13. 床材、腰壁、壁紙を抗ウイルス化することで効果はどうなりますか?

 

Q1.ウイルスって何?菌とウイルスとの違いは?

A1. ウイルスとは遺伝⼦が⼊ったタンパク質の塊です。菌は単細胞⽣物であり、単独で増殖(細胞分裂)しますが、ウイルスは遺伝⼦しか持っていないので単独では増殖できません。

 

Q2.ウイルスはどのように増殖するの?

A2.ウイルスは他の細胞に⼊り込み宿主細胞の⼒を借りて⾃らの遺伝⼦を複製させて増殖します。増殖後、細胞から遊離し別の細胞に⼊り込み、また増殖するというサイクルを繰り返します。単体では増殖できないので、必ずその他の⽣物へ寄⽣します。

 

Q3.床材に抗ウイルス性があるとどんなメリットがあるのですか?

A3.ウイルスの感染経路には、⾶沫感染(空気感染)と接触を伴う感染があります。⼈から放出されたウイルスは、そのまま直接体内に⼊ったり、床や壁に付着した後に⼈の手や足などに付着し⽣活環境内に広がっていき、(経口などで)体内に⼊って感染・発症します。
 接触を伴う感染の場合、⼈の活動範囲の中で手に触れることができる範囲の対策が重要です。
特に⼩さい⼦供たち(幼稚園児・保育園児・⼩学校低学年)は、床の上に寝転がったり、這いつくばったりすることが多く、床⾯にウイルスがあると感染する可能性が高くなるといえます。また、ウイルスに感染した⼈がおう吐した場合、通常はおう吐物を取り除いた後、アルコールや次亜塩素酸で消毒を⾏いますが、この消毒が不完全な場合、床⾯に残ったウイルスで感染してしまう可能性が残ります。
床材を抗ウイルス化することでこのような感染リスクを低減させる効果が⾒込まれます。

 

Q4.床材で感染対策ができるのでしょうか?

A4.完全な感染対策はできません。あくまでも感染のリスクを抑制することが期待できます。おう吐などにより床や壁にウイルスが付着した場合は、消毒液でしっかり拭取ることがまずは重要です。
床材は補助的なものであり感染リスクの拡⼤抑⽌の一助になるとご理解ください。

 

Q5.床に落ちたウイルスは再び舞い上がるのではないですか?

A5.くしゃみなどウイルスを含んだ⾶沫粒⼦は1〜2mの範囲で床や壁に落下します。⾶沫粒⼦は主に⽔分が含まれるので、⽔分が無くなると風圧などでウイルスは再び舞い上がる可能性があります。
※東京都健康安全研究センターの報告では、乾燥したウイルスが⾶沫より3時間経過後、床⾯より160㎝の高さまで舞い上がるとの事例報告もあります。
 ⾶沫粒⼦の⽔分が無くなるまでの時間がおおよそ2時間と言われています。一方で、エミネンスフロアの抗ウイルス性は1時間で機能を発揮します。⻑尺シート表⾯に⾶沫粒⼦が付着し、乾燥後にウイルスが舞い上がることがあっても、感染リスクを低減させる効果が見込まれます。

 

Q6.99%以上の抗ウイルス効果を分かりやすく教えてください。

A6.例えば、抗ウイルス性試験に用いたウイルス液の感染価は約3,150万です。このウイルス液を抗ウイルスシートの表⾯に1時間接触させた後に回収するとウイルス液の感染価は31以下になりました。
これはウイルスの⼒を99%以上、下げているといえます。

  • ウイルス感染価とは、ウイルスが感染する⼒の指標のこと。
  • ウイルス感染価が高い=ウイルスの感染リスクが高いということですが、言い換えれば「感染⼒を持つウイルスの数が多い」ということ。

抗ウイルス機能の効果

 

Q7.どんな抗ウイルス剤を使用していますか?安全なものですか?

A7.抗ウイルス剤は特別な薬品ではなく、一定条件下において食品向けの梱包材関連に使用が認められている成分です。

 

Q8.抗ウイルス剤はウイルスを殺すのですか?

A8.一般的にウイルスは⾃分では増殖できないので⽣き物には該当しません。よってウイルスを「殺す」という表現は的確ではありません。ウイルスが増える過程を⼤まかに表すと、「細胞に侵⼊する」→「細胞の中で増える」→「細胞から出る」で、この過程を繰り返すことでウイルス⾃体は増殖します。
例えばインフルエンザウイルスに対して抗ウイルス剤は、
①この「細胞に侵⼊する・細胞から出る」過程にて作用し侵⼊できなくすること
②界⾯活性剤がウイルス⾃体を破壊すること
①②が⾒込まれていますがそのメカニズムは完全解明されていないため、本来の機能を失わせるとお考えください。

 

 

Q9.次亜塩素酸ナトリウム、アルコールで消毒した場合と比べて抗ウイルス効果はどうですか?

A9.速効性の観点では次亜塩素酸ナトリウム、アルコール > 抗ウイルス性の⻑尺シート です。
ノロウイルスに対して0.02%の次亜塩素酸ナトリウムは約10分でウイルス感染価を99.99%以下にできますが、反⾯、⽪膚刺激性や衣類の脱色効果があるため使用場所が制限されることもあります。せっかく殺菌消毒してもウイルスの拭き残しが発⽣するかもしれません。
 もちろん、次亜塩素酸ナトリウムと抗ウイルス性の長尺シートを組合わせることで効果が期待できます。

 

Q10.次亜塩素酸ナトリウムやアルコールで拭いても変色しませんか?

A10.次亜塩素酸ナトリウムや通常使われる消毒用アルコールでは、変色や材質変化は起こりません。

 

Q11.どれくらい抗ウイルス効果は持続するの?

A11.表⾯のコーティング層に抗ウイルス剤を配合していますので、「抗ウイルス耐久年数=ノンワックス耐久年数」となります。しかしながら、掃除をせずに表⾯に汚れが堆積するとウイルスと床材の接触を阻害しますので効果は低くなります。ノンワックス機能性と同様に日々のメンテナンスは実施してください。メーカーとしての推奨メンテナンス方法は、週1回以上の⽔拭き実施です。
 なお、ワックスを塗布することも抗ウイルス効果が阻害されますので、抗ウイルス性が必要な際はノンワックスでお使いください。

 

Q12.溶接棒は専用のものですか?

A12.溶接棒は汚れ防⽌を向上させた配合処方としていますが、シートの表⾯のコーティングと⽐べると耐汚染性は劣ります。日常メンテナンスをしっかり⾏ってください。

 

Q13.床材、腰壁、壁紙を抗ウイルス化することで効果はどうなりますか?

A13. ⽣活範囲の中で接触する可能性がある部分の仕上材を抗ウイルス化すること、つまり腰壁(タフ腰壁シート)、壁紙(トルウイルス)と組合わせて提案することで、感染リスクを低減させる効果が見込まれる空間提案がシンコールならば可能です。